パンデミック後の新世界を作るために (foussin’s blog)

(『見捨てられた世代』からの提言)

2021-01-01から1年間の記事一覧

31.公共サ-ビスがスマホを介して提供されるのなら、今の通信費は高すぎる

いきなり話は脱線するが、自分は「サラウンド録音」のデジタル・コンテンツがあまり好きではない。その理由はいくつかあって、まずは専用の再生システムがないと「本来のサウンド」が堪能できないことだ。 サラウンド録音の作品を「ステレオ再生」で聴くと、…

30.多数決頼りの民主主義は必ず変質する(立憲主義の危機)

終戦直後、大多数の日本人は貧乏で弱者だった。多数決が弱者の味方として機能する時代だった。「民主主義=多数決」と考えても差し支えない時代だった。 ところが、その後の日本は高度経済成長期に入り、日本人の多数派は中流家庭へシフトした。そうなると貧…

29.対話中に「正義」を持ち出すのはル-ル違反である(フェイク情報に注意)

人類は地球上の多様な地域で暮らしているが、それぞれがその地域の気候や風土に適した社会を作って暮らしている。 別社会にいる人間が出会うと、価値観が違いすぎて理解し合うのが困難となり、それは争いの火種となる。だが、価値観が違うのは人間が「多様性…

28.投資家はリスクを引き受けるので「r>g」は当然という意見に対して・・・

経済学者のピケティは「大金持ちに課税して格差是正を図れ」と主張している。当然、金持ちからの反発は大きい。 よくある反論として挙がるのがリスク分担の話。「r>g」は、リスク分担を考えれば当然の話で、リスクを取って投資した人が、リスクを取らずに…

27.経済学者ピケティが発表した「r>g」について・・・

r=資本収益率(純資産の成長率) g=GDP(国民所得)の成長率 資本収益率「r」とは、土地・建物・機械設備などの「実物資本」と、株式・債権などの「金融資本」の収益率を言う。土地以外の実物資本は原価償却されるが、金融資本は累積投資できることから…

26.資源配分・比較優位理論はハイリスク・ハイリタ-ンの典型(自由貿易の罠)

この話題は、最初は「増税のやり過ぎは逆に税収減をもたらす」というテ-マで書く予定だった。が、それを突き詰めて行くと、もっと根源的な問題が絡んでいることに気が付く。それは自由貿易の関税軽減が招いた「間接税の不均衡」だ。 そして、経済学が自由貿…

38.参考文献・資料一覧

/// 書籍 /// NE (New Economics Series) シリ-ズ・新エコノミクス マクロ経済学入門 第3版 二神孝一・著 (ふたがみ こういち) 2017年4月25日 第3版第1刷発行 株式会社 日本評論社・刊 幸福の経済学 人々を豊かにするものは何か キャロル・グラハム・著 …

25.自治体の「企業囲い込み」が再分配システムを骨抜きにした

格差を是正するための政策を「再分配政策」という。グロ-バル経済以前の閉鎖系の社会であれば、「累進課税」によって再分配政策は容易に実現できた。しかし、ビジネスがボ-ダ-レスに展開される今となっては、タックス・ヘイブンやネット取引など無数の逃…

24.民主主義は平等ではないが「努力を加味した公平さ」にこだわる

全員平等もいいが、そこに至るまでを否定しちゃいけない。平等じゃなく、公平にいこうぜ。 アニメ「五等分の花嫁」 #11 結びの伝説3日目 ...より引用(TBS放送 2019.3.22.fri 深夜01:38~) 上記は、アニメの主人公・上杉風太郎の台詞。普段の我々は無意識に…

23.XX主義、XXファ-スト、世界標準を疑え(100年前の歴史を繰り返さない)

行き過ぎた資本主義は、しばしば倫理、自然感、そして民主主義と矛盾する。矛盾するのは資本主義に重大な欠落があるからだ。それは人間の経済活動という「視野の狭い価値観」だけを重視していること。大衆を資本主義という一つの価値観へ誘導することで、究…

22.日本の財政赤字解消の道筋(日米のインフレ政策は民主的に見れば愚策)

個人や法人には寿命があり、その寿命の範囲内での借金返済が不可能であると断定された時、破産に至る。が、政府には寿命がないので、各種国債(借金)の返済期限を守り、「国の所得」と債務残高の比率が大きくなり過ぎない限りは、国が破産することはない。 国…

21.インフレ経済政策とコミットメント(不言実行は卑怯ではない)

インフレ経済政策とは、もちろん「アベノミクス」のこと(今後はスガノミクスになる?)。インフレでは次第に物価が上がっていくので、消費者からすると「待ち」は損、値上げ前に「買う」が吉と出る。 が、既にそれ相応の資金が手元にないと、消費拡大に転じる…

20.合理化・効率化の罠(エントロピ-と脳内回路と確証バイアス、そして総合知へ)

資本主義は少数派を相手にしない。多数派(大衆)を相手にした方が儲かるからだ。そのため巨大資本は、大衆を管理しうる権力に執着する。一方、社会主義は「全体主義」を唱えて大衆を管理しようとする。どちらも大衆を一つの価値観へ誘導しようとする点におい…

19.効率的・合理的な「究極の生産最大化」が現実世界で実現できないワケ

経済は供給能力(潜在GDP)と需要(有効需要)のうち、小さい方で決まってしまう。「潜在GDP」「有効需要」は、国内で実現可能な最大ポテンシャルを表す。 いくら消費意欲が旺盛でも、潜在GDPを超えた需要には応えられない。逆に需要が冷え込んでしまっ…

18.英国EU離脱、ゴ-ン日本脱出・・・その共通の構図(理念を曲げない国を目指せ)

英国のEU離脱、およびカルロス・ゴ-ン被告の日本脱出からは、ある共通の構図が見えてくる。それは「権力(資本主義) vs 民主主義」という構図だ。資本主義を利己主義と言い換えてもほとんど変わらない。実際、資本主義と民主主義は、世界の至るところで対…

17.そして「会社法」見直しへ(格差縮小政策は社会主義ではない。民主主義である)

自分は、共和党や自民党が推し進めてきた資本主義を憎んでいる。それは、彼らが民主主義を歪曲したまま資本主義を「ゴリ押し」してきたことが原因だ。 彼らは「民主主義=資本主義」などという詭弁を恥ずかしげもなく口にする。そもそも、多数決は資本主義(…

16.高度経済成長期の過大貸付が平成デフレ不況の元凶だった件

1950年に川崎製鉄所(現・川崎重工業)の鉄鋼部門を分離し川崎製鉄という会社ができ、初代社長に西山弥太郎が就任。当時、川崎製鉄は銑鉄を他社から購入していたが、銑鉄を自社で作る鉄鋼一貫メ-カ-にする方針を打ち出した。当時の資本金は5億円だったが、…

15.巨大株式会社は「社会的責任」を果たせないので分割した方がいい

まず、何と言っても有限責任が無責任を生み出している。そして、株式会社の規模が大きくなればなるほど、その会社が失敗した時の社会的損害も巨大化する傾向がある。しかも会社が失敗すると、損害を補償する前に株価は暴落する。つまり資本が逃げ出してしま…

14.デフレよりインフレの方が消費喚起になる・・・とは限らない

デフレになると物価が下がる。物価が下がれば当然、賃金水準も下がってくる。が、歴史的には賃金の方が物価よりも下げ幅が小さいケ-スがほとんどなので、実質的な所得は上がる。 そうなる理由は、物価は短期間で変動するが賃金は年単位で更新されるため。ま…

13.デフレは「悪」ではない。デフレを長期化させる「思惑」こそ悪である

まず、結論を言ってしまうと、デフレは「所得配分の不均衡」が臨界に達した時に起こるものであり、経済が自然にバランスを取ろうとした結果「自浄作用」として表れたものに過ぎない。で、デフレを長期化させる「思惑」というのが・・・ デフレの時「今買うこと…

12.格差縮小にはGDP成長率(信用創造と乗数効果)に惑わされないことが重要

自分がGDP成長率にこだわっても仕方がないと思うようになったのは、実際に体験したデフレ不況の「実感」を根拠にしている。「失われた20年」のデフレ不況のうち、最初の10年間は確かに厳しい時代だった。要するに、膨れあがる借金とその返済に10年を費や…

11.人口減少は悪いことではないと考えを改めよ(地代が安くなるメリットに注目)

家賃支援給付金 7/14 から申請開始:対象:新型コロナの影響で2020年 5~12月の間に売り上げが去年の同じ時期に比べてひと月で50%以上減、或いは3か月連続で30%以上減少した事業者。 個人・法人に関わらず、月々の支出で大きな割合を占めているのが家賃の…

10.人口減少は経済競争では不利だが、それが国力低下に繋がる訳ではない

政界や産業界は、人口減少が国力低下に繋がる要因だとして危機感を煽っている。が、それは問題のすり替えだ。本当の問題は、財政赤字を次世代に押し付けてきたことだ。人口が減少すると、国民一人辺りの赤字負担額が増えてしまうからだ。 そもそも国力低下を…

09.「豊作貧乏」は民主主義の欠如が生み落とした害悪である

これは前項の「先物取引」とも関連する話だが、一般的に農作物のような一次産業品は「価格弾力性」が低い傾向があり、大きく価格変動する。価格弾力性が低いと、値下げしても需要は少ししか増加せず、逆に値上げしても需要は少し減少するだけで済む。 つまり…

08.先物取引のリスクを生産者に押し付けるべきではない

2020年7/27(月) 大坂で先物の総合取引所が始動。日本国内の先物取引の近年の出来高は、2005年と比較すると6分の1にまで縮小していて、これを機に巻き返しを図る狙いがあるとのこと。しかし、世界の潮流に乗ることが、市場にとって本当に良いことと言えるの…

07.地産地消型モデルでは「移動コスト」の押し付けはマナ-違反とする

以降は、パンデミックが終息した後の「新世界」に、理不尽・不条理を持ち越さないための、細かい提案や問題提起をしていきたい。 現在の世界経済は、物理法則に束縛された「産業資本(実体経済)」と、超高速で取引可能な「金融資本」が混在している。金融資本…

06.産業構造を「地産地消」型へ移行

今後は、パンデミックへの反省や人口減少社会への適応、地球温暖化防止への対応などによって、新世界は「地産地消」型の経済モデルへシフトするしかないと思われる。石油のような特殊な資源を輸出している国の場合は地産地消という訳には行かないと思うが、…

05.全世界で「公開株を一定割合で現金化」し、それを国民投資に充てる

コロナ・ショックの最中、連日の株高更新のニュ-スを観ていて苛立ちを感じる人も多いのではないだろうか。その有り余るマネ-の何割かは、元々は生活困窮者のために用意された一律給付金であり、各国の政府支出=税金だからだ(マジック・マネ-)。しかも、…

04.全世界が協調し「債権の強制的物価連動値下げ」の実行を提案

具体的には、既に実施した先進国による物価引き下げ政策による物価引き下げ率と連動し、全ての債権価値を強制的にスライドさせる。物価引き下げ政策が「先進国に限定」したのとは異なり、債権の強制値下げは「全世界」で行うのが望ましい。が、債権の大半を…

03.給与収入が「中央値」を超過している全給与所得者の給与を物価連動カット

つまり、低所得者以外の給与所得を削る。削るのは今後受け取る給料で、貯蓄の没収はしない。既に物価が下がっているので、中・高所得者の収入が減っても生活上の実害はない。実際、前回の10万円一律給付金は、ほとんどが貯蓄に回されている程だ。 給与を物価…