パンデミック後の新世界を作るために (foussin’s blog)

(『見捨てられた世代』からの提言)

18.英国EU離脱、ゴ-ン日本脱出・・・その共通の構図(理念を曲げない国を目指せ)

 英国のEU離脱、およびカルロス・ゴ-ン被告の日本脱出からは、ある共通の構図が見えてくる。それは「権力(資本主義) vs 民主主義」という構図だ。資本主義を利己主義と言い換えてもほとんど変わらない。実際、資本主義と民主主義は、世界の至るところで対立している。

 英国がEU離脱で揉めたのは、簡単に言えば「かつての強国に戻って好き勝手した方が儲かる」と考えた資本主義陣営と、「EU残留はヨ-ロッパの平和維持に必要」と考えた民主主義陣営に分かれての大議論だった。結果は資本主義陣営の粘り勝ちとなった。
 英国は「紳士の国」とか呼ばれる割に、実際は「アヘン戦争」や「3枚舌外交」等で世界を混乱に陥れてきた実績?を持っている。英国の民主主義基盤は意外と脆く、恥に対する感度も鈍い。だからこそ「紳士の国」とか言える訳だ。

 今回の英国の決断には、多くの民主国家が失望した筈だ。湾岸戦争を起こした頃と何等変わってね-んだな、と。北極海権益でロシアとかと揉めたら、その時はEUとも揉めるだろうな。
 とりあえず、資本主義陣営には潤沢な資金がある。それは大衆を、下手すれば国家をも屈服させる権力となっている。

 つい最近の日本でも、資本主義を象徴する事件があった。元日産CEOのカルロス・ゴ-ン被告が、容疑者の身でありながら圧倒的資金力に物を言わせ、日本の国家権力(司法・行政・立法)を振り切って国外脱出を成功させてしまった。
 巨大資本の一極集中は強大な「権力」を生み出す。権力が民主主義の阻害要因であることは明白だ。ゴ-ン被告の日本国外脱出は、行き過ぎた資本主義の危険性が露呈した事件といえる。

 あの国外脱出劇は明らかに「日本の民主主義に対する冒涜行為」だった。それに対して西側諸国(の富裕層)は日本を非難すると思うが、民主主義に対する冒涜行為に対しては、日本は毅然とした態度で臨むべきだ。
 なぜなら、日本を見ているのは欧米先進国だけではないからだ。アフリカや南米、アジア諸国(例えばミャンマ-とか)からも、じっと見られている事を忘れてはならない。日本は「理念を曲げない国」を目指すべきだ。先進国ばかり忖度している国と見られてしまったら、日本に明るい未来はない。