パンデミック後の新世界を作るために (foussin’s blog)

(『見捨てられた世代』からの提言)

【00】再エネ電気実験の下準備1(電池ボックス・電球ユニット)


2022/08/14 10:34 sun:pv 1226【記事総数:100(当記事含む)】
(執筆期間:2021/11/10 13:26 wed - 2022/08/14 10:34 sun)
(題名変更:【00】を追加:2024/03/24 15:12 sat)

 既に古い話題になってしまったが…観測史上最速の梅雨明けとなった。6/6(月)梅雨入り→6/27(月)梅雨明け。期間はたったの3週間。
 それを知った時、自分は『今年の日本の夏は大変な事になる』と非常に心配したが、その後再び停滞前線が発達し、今のところ猛暑は一段落している。なぜ心配したかというと、6月に梅雨明けというのは、日本にとって『地獄の夏』を意味するからだ。

 なぜなら、太陽光照射量が最大化するのは『夏至の頃(今年は6/21)』と決まっているからだ。しかも夏至を中心に据えた前後1か月ぐらいは、太陽光照射量に大きな違いはない。


sin(cos)曲線.png
(昔は Fotolife でも .svg がアップロードできたのに、今は出来ない?)

 年間の太陽光照射量の変動は sin(cos)曲線を描く。グラフを見れば、夏至の前後1か月の照射量の変化が少ない事が分かると思う。逆に秋分春分を境に季節が大きく動く事も、グラフの勾配を見れば理解できると思う。例年の日本であれば、夏至の頃が梅雨時と重なっていたので、ずっと見過ごされて来た訳。

 もはや『梅雨』という概念は、現在の異常気象の中では『通用しないルーティーン』になっていると思う。昨年の8月を思い出してほしい。季節外れの『停滞前線』によって各地で洪水被害が出ていた…と思っていたら、今年は8月になってから東北で豪雨被害が頻発している。

 ところで今、ヨーロッパでは観測史上最大の熱波が居座っている。ヒートドーム現象と言われているが、これには戦争の影響もあるんじゃないだろうか。
 戦車や兵器が出す二酸化炭素は普通車とは比べ物にならない。戦争による都市の破壊だってモルタル建材などで固定化していた二酸化炭素を大量に放出した筈。農地破壊の影響も甚大と思われる。

 で、さっそく日本でも『電力ひっ迫注意報』が出た。もはや政府主導、大企業(電力会社)主導、国際的ガバメンツ主導のトップダウンで脱炭素を実現するのは不可能だと考えている。ならば個人レベルのボトムアップで変えるしかないではないか…


 しかし、安全性を無視して先を急ぐのは危険だ。発電や蓄電の技術には、常に火災のリスクがある事を肝に銘じて慎重に取り組む必要がある。電気工事士免許を持たない一般市民に出来る事には限界もある。


 この場所では『個人レベルで進める持続可能社会』について実験・検証・考察を深める予定。それを思い立ったのは昨年の11月ごろ…ずいぶん時間が経ってしまったが、ウクライナやオミクロンなど、思考の集中を妨げる大事件が多すぎた事が大きい。で、ようやく始動したが当面は、そのための下準備について書く。


 まず、コンデジを買った。今まではガラケー・カメラを使っていたが、今後はこれを使って画像をアップする。操作ボタンが沢山あって使い方を覚えるのが大変そうだ。

Lumix DC-FZ85 (Panasonic)

01 前面
02 背面

 電気分解の実験をやる時に、それをブログで紹介するには動画や写真掲載が必須。で、デジカメ。本当はデジイチが欲しかったが、今の自分には高過ぎて手が出ない。『ハードオフ』や『フジヤカメラ』などで、たまに中古の掘り出し物が出る事があるので、たまに見に行きたい。今回の買い物は、長年貯めていたポイントを使い、かなり安く済ませた(価格は内緒)。

電源ユニット作り

 電圧や電極など、条件を少しずつ変えながら実験したいと思って、細かいユニットをコンポーネントに組み合わせて使えるように、電源ユニット、電気分解装置などを分けて作る事にした。で、配線の変更は『ワニ口クリップ』を使って行う仕様とする。

 まずは端材を使って電池ボックスを作ってみた。

03-端材電池ボックス
04-材料の写真
05-紙ねんど(約2g)

 『スチールクランプ』は、本来はコード類を結束する金具だが、板バネっぽい弾力が電極の圧着板に丁度いいと思って使ってみた。紙ねんどは、電池を押し付けて型を取っただけ。かなり雑だが単3電池がピッタリ収まる。紙ねんどが乾いたら接着剤で木に貼り付け、ニスを塗って固めて出来上がり。

06-端材で作った電池ボックス・使用例
07-端材で作った電池ボックス.ods (LibreOffice Calc)

 表は LibreOffice Calc で作った。表が小さくて見ずらい場合は、リンク元(はてなFOTOライフ)でご覧ください。または右クリックして保存してください。昔は Fotolife表計算データがアップロード出来たと思っていたが勘違いだったか?
 今後は LibreOffice Calc を使い、制作物の『パーツリスト・材料費(実質コスト)』を晒すので、興味を持った人は参考にしてください。で、これの実質コストは 107円だった。

 ちなみに、価格は全て『税込価格』で表記する。消費税の納税義務は消費者ではなく事業者が持つ。消費税は売価にかかる税金ではなく、あくまでも『付加価値税』である
 既に再販価格の出版物でさえ『税込表示』になっているのに、未だに本体価格表示を続けるスーパーやドラッグストアの対応は『信用取引』を軽視していると思う。税込価格を小数点付きで小さく表記しているのを見ると「誠実な信用取引、どこ行った?」と思ってしまう。
 付加価値には人件費なども含まれる。付加価値のどこからを軽減税率の対象とするのか、よく考えればおかしな話だ。経理担当者にとって消費税の計算をする事は『ブル・シット・ジョブ(くそどうでもいい仕事)』以外の何物でもないと思う。結局、日本の生産力向上に害があるだけの非生産的税制だ。
 『総額表示』は国民に誤解・紛らわしさを与えるもので、JAROBPO に通報していいレベルの『悪意ある合法』だと思う。悪徳商法を政府が強引に合法化したもの…それが消費税だ。政府がそんなことばかりしているから、いつまで経ってもオレオレ詐欺が無くならない訳。若年層の犯罪を非難する前に、大人が見本を示さなきゃねえ…


 ちょっと感情的になってしまった。本題に戻る。

 次は、1.5V~9Vまでの電源ユニットを『市販の電池ボックス』を使って用意する。

08-電源ユニット4種類(1.5v, 3v, 6v, 9v)

 実験用なので、なるべく安くしたかったが、予想以上に高くついた。土台にカマボコ板を使ったりしたが、新品のアルカリ電池が特に高い…材料費のうち980円が電池代に消えた。

09-材料の写真
10-電源ユニット4種類(1.5-9V).ods (LibreOffice Calc)

 とは言え、乾電池やバッテリーの類については、多少高くても『メイド・イン・ジャパン』が一番いい。性能や安全性、長期保存性が全く違うので。が、今後は使い捨ての一次電池から充電式電池(二次電池)に切り替える予定。よくよく調べたら、買い置き品の電池が結構余っていたので、まずはそれを使い切る。


 今回から配線をハンダ付けしているが、若い頃は苦手だった。いわゆる『芋ハンダ』を量産していた。が、数をこなしているうちに慣れてきた。結局、経験不足が芋ハンダの原因だったらしい。当時は工作キットなどを買って、その時だけの一発勝負でハンダ付けしていただけだったから…

 さて、それぞれの端子電流量(アンペア数)はだいたい 2~4A ぐらい。L字の金具は『ワニ口クリップ』で挟む事を想定している。金折れは本来、家具とかの直角部分を補強する物だと思うが、詳しい事は知らない。
 金属(導体)は自由電子の塊なので、回路中に含まれる金属体積の違いは電流量にも影響を及ぼすと思う。赤と黒のビニルテープは接続ミスを防ぐための目印とショート防止用。使用する時は白い絶縁キャップを外したり、絶縁キャップの中にワニ口クリップやテスター棒を突っ込んだりする。

11-電源ユニット・使用例
12-使い終わったら保管

 現時点ではまだ、豆電球を光らせるぐらいしかできない。使い終わったら適当なケースに仕舞っておく。絶縁には気を使っているので、ショートして火災になる事はないと思う。

 ところで『スイッチ棒付』の電池ボックスがちょっと面白いと思った(これ1個で327円もしたが)。単純な仕組みだが、マイナス極のバネを使って接点を圧着させていて無駄がない。仮にスイッチを自作するなら、この仕組みを参考にしようと思った。

通電チェック用・発熱電球ユニット(抵抗・スイッチ棒付):

 で、さっそく好奇心に任せてスイッチ棒付の回路を作る事にした。上記の電源ユニットの使用例として、豆電球を光らせている写真を載せてお茶を濁していたが、もうちょっとマトモな使用例にしたいと思って…

13-2.5V・12V・18V発熱電球・並列ユニット(抵抗・スイッチ棒付)

 ご覧の通り、たばこケースの倍ぐらいの大きさ。この回路は『並列繋ぎ』になっているのがポイント。発熱電球というのは『抵抗器』に他ならない。
 この回路は、遠い昔…中学校理科で習った『オームの法則』や『合成抵抗』のおさらいにも適した教材になると思う。いずれオームの法則なども当ブログで触れる予定。

 ちなみに、各電球の商品ラベルには電圧(V)・電流(A)のスペックが記載されている(定格)。V と A が分かれば、オームの法則で抵抗(Ω)も分かる。アンペア数が小さい電球は、その分だけ抵抗が大きい事を表す。

オームの法則:抵抗 R(Ω) = 電圧 E(V) / 電流 I(A)

豆電球    : 2.5V 0.3 A → 2.5/ 0.3  =   8.3(Ω)
配電盤表示電球:12.0V 0.15A → 12 / 0.15 =  80.0(Ω)
配電盤表示電球:18.0V 0.11A → 18 / 0.11 = 163.6(Ω)

 ついでに言うと、発熱電球の抵抗値は、テスターでは上記通りの値としては計測できない。電球の抵抗をテスターで測ると、上記の 1/10 程度の値となる。電球の抵抗値は、そのほとんどが『発光エネルギーの損失分が抵抗値として表れただけのもの』だからだ。

 つまり、導体自身の『単純な電流の流れにくさ』を表している訳ではない。そのため電圧が変わると抵抗値も変動する。1.5V電源に18V用電球を繋いでもほとんど光らないのでエネルギー損失は少なくなり、結果として抵抗値も小さくなるという理屈だ。そこがセラミック抵抗器と違う所。
 セラミック抵抗では電流(A)は著しく減少するが、端子電圧(電源)に対する電圧降下はほとんど起こらず、電圧と電流の比率が常に一定に保たれる。よって、低電圧時(または非通電時)と高電圧時(または通電時)の抵抗値には、ほとんど違いがない。

 これは、風力発電などでモーターの耐電圧を超える電圧が生じた時に、定格電圧が大きい電球を点灯させれば余分な電力を光エネルギーとして逃がし、モーター保護回路の代用になるかもしれない。同時にセラミック抵抗も直列で繋いでおけば、電子パーツに過大電流が流れる事も防止できると思う。
 その辺りを確認するには、この回路をモーターと組み合わせて実験・検証する必要がある。モーターと各種抵抗の組み合わせでモーター回転数や通電時の抵抗値の程度を計測すれば、妥当な解に辿り着きそうだ。詳しくは別の機会に改めるが、抵抗についての予備知識は半導体(ダイオードとか)の理解を深める上でも役立つと思う。

 ただ、豆球は耐電圧が小さ過ぎてすぐ切れるので、保護回路としてはちょっと頼りない。ま、3Vモーター保護用のヒューズの代用としては使える。仮に 6V 弱(単3×4個)の電圧をかけた場合、豆球の方が必ず先に玉切れする(十数秒しかもたない)。が、モーター内のコイルは簡単には焼き切れない(検証済み)。

 せっかく作った電力を光エネルギーとして捨ててしまうのはモッタイナイと思うかもしれないが、自然エネルギー発電では燃料費はタダ。人間が利用できないだけの話(雷、地震エネルギー、台風エネルギーのように)。
 エネルギー保存の法則に従い、電力は自然界でちゃんと循環している。世界は物質で出来ている。物質は陽子と電子で出来ている。つまり目と鼻のすぐ先に、いつでも電力が満ち溢れている。だから『再エネ事業に長距離送電網は不要』である。

 特に風力発電のレンジ幅は大き過ぎるので(無風状態から台風レベルの強風まで)、過大電流を適度に逃がす技術は、より重要となる。いずれ、電力は個人で作る時代になる。そうなれば『売電』という発想自体が陳腐化する。
 これはエネルギーにお金を払う人がいなくなる事を表す。エネルギー価格の大半は発電機や蓄電器、さらに水素の製造・維持コストが占めるようになる。

 だから、それに柔軟に対応していくには、資源・エネルギー産業にいつまでも依存し続けるのは亡国の道を辿る。ロシアのようにね。だからこそ『生産・製造業』など内需産業の強化は重要。金融産業は単なる『繋ぎ』と割り切って行かないと、日本は本当に駄目になる。投資先あっての金融だ…現政府の政策は順番が逆だ。

 少なくとも 100W 程度の家電製品については、既に個人で作った発電機の電力でも充分まかなえる時代になっている。それを一般市民にも周知させないと、電事連はいつまで経っても本気で再エネ事業に取り組まない。『節電ポイント』なんて、脱炭素には全く貢献しない。単に電力会社が損をしないように、チャリーンとお金が落ちる仕組みを頑なに守っているだけの茶番だ。

 IT 到来によって出版・印刷・デザイン業界が変革を余儀なくされたように、バブル崩壊以降、証券・銀行業界が苦境に陥ったように、それと同様に今度はエネルギー産業が変革を迫られているのだ。
 皆が時代の流れを受け入れてきた。エネルギー産業だけ例外という訳にはいかない。労働人口の大移動を真剣に考えるべきだ。その最大の障害になっているのが資源・エネルギー産業に過度に依存してきた『財閥系企業』である。彼らに国家予算を注入し続けるのは財政赤字を増大させるだけだと自分は考えている。

…また話が脱線した。本題に戻る(スイッチ棒付電球ユニット)。

14-材料の写真
15-ステンレス一文字(金具)

 『ステンレス一文字(70mm)』という金具をスイッチ棒の代用として使う事にした。普段は120円らしいが、値下げ品ってことで1本40円で入手できた。今回、サイズは小さいが部品・材料は多い。コンパクトにしたのは、別の装置に組み込んで抵抗器(保護回路)として使う事も想定しているため。

16-レイアウト考え中
17-キャップ穴あけ
18-ソケット用土台・完成

 まずは板の上で仮置きして、ざっとレイアウトを考え中。が、イメージが浮かばない。まずはソケットが倒れないように、ペットボトルのキャップに穴を開け、そこにソケットを差し込んで土台にした。
 キャップとソケットは瞬間接着剤で固定。接着剤でソケットがちょっと溶けたが… キャップの穴あけは、キリで中央に穴を開け、リーマーで穴を広げ、丸やすりでバリを取る。キャップは柔らかいので誰でも簡単に加工できる(作業時間 5分ぐらい)。

 さて、今までは電球1個ごとに『ON-OFFスイッチ』を合計3個付けるつもりでいたが、これを『ON-OFF-ON』の切り替えスイッチに変更すれば、スイッチは2個で済む(配線は混み合いそうだけど)。

19-レイアウト再考
20-サイズ80x115mmに決定

 『ON-OFF-ONスイッチ棒』のイメージはこんな感じになる。で、半端な空きができそうなので、そこにセラミック製の抵抗器を追加する事にした。
 ただ、スイッチ棒方式のスイッチは、あくまでも実験用・教材用の回路専用として割り切って使う(電流計を繋ぐ時に便利)。本格的な実用品に仕上げる時は、市販のスナップスイッチなどを使う予定。

21-アクリル板を開封&カット

 新品のアクリル板の開封には、意外と勇気が要る。キズも指紋も付いていないアクリル板を、今から汚してしまうのだ(ゴクリ)。静電気でホコリも付いてしまう。はぁはぁ…もう後戻りはできない、いいよね…

 実は、このアクリル板を買ったのは相当の昔で、たぶん10年以上経っている。何かを作ろうと思って買った筈だが、たぶん別の材料で間に合わせたのだろう。アクリル板のカットには専用のカッターを使う。これもその時に買ったきり、箱に入れたままずっと放置していた(新品同様・価格不明)。

 なんかヘタレみたいだが…一度汚してしまえば、あとは案外早く作業が進む。自分は新品よりも中古や端材の方が性に合ってる。遠慮せずに改造したり手を加えたりが出来るから。
 新品や完成品に囲まれた生活が長く続くと、人は守りに入り易い。今の日本のお店には『完成品』しか売っていない。昔の金物屋のように材料や部品を扱っている小売店が激減してしまった。

 今、そういうお店は中国やアジアにある。こういう違いが GDP(付加価値生産)の成長率に影響を及ぼしていると見るべきだ。高齢化や少子化といった統計データばかり見て決めようとするから、政府は成長戦略をミスリードし続けるんじゃないのかな。
 今の統計データは、失敗し続けた20年(30年?)を反映した物だ。それをなぞっても失敗の上塗りにしかならない。もしくは失敗を認めたくない側の引き伸ばし戦術でしかない。

 日本では、お店で買った製品は全てがスイッチを入れるだけですぐに使える。あとは便利か否かを評価するだけ。今の日本人の現状は、開発指向(生産者指向)よりも評論家思考(消費者思考)が優勢で、これが日本の向上心・探求心に悪影響を及ぼしていると感じている。

 要するに、今ある製品に対して『こうすればもっと便利になるのに』という発想は出来ても、社会構造を一変させる『転換的発想』にまでは至らない。持続可能社会の実現には『転換』が必要。
 我々は現在の最先端技術に何かを付加する事で、その先に持続可能社会の実現が待っていると勘違いしている。だが、今ある最先端技術の多くが『化石燃料大量消費』を前提とした技術である事に気付かなければならない。

 だからこそ『電気分解』という古典化学にまで遡り、それを見直し『大量消費社会』から『持続可能社会』への転換点が、実は過去にある事に気付く必要がある。
 『もっと便利に』という思考ではなく、いったん過去へ巻き戻して『あの地点からやり直せば持続可能社会へのベクトル変更が可能だ』という発想の転換が重要だ。

…また話が脱線した。本題に戻る(スイッチ棒付電球ユニット)。

22-アクリル板を接着&ネジ穴開け

 カットしたアクリル板を瞬間接着剤で板に接着。そのあと固定用ネジ穴を開ける。木材とアクリル板では弾力性が違うため、接着剤でくっ付いたように見えても長年の振動によってある日ポロッと取れてしまう。だからネジ止め重要。

 硬質アクリル板に穴を開ける場合、事前にキリ先端をライターなどで炙り、熱で溶かしながら穴を開けると上手くいく。力づくでやっても刃先が滑って傷が付くだけ…

 あと、クランプなどで何かに固定しないと安定した穴開けは難しい。写真では『スプリングクランプ』と『プラ木レン(6A型)』を利用した。プラ木レンは塗装時に回転台代わりにしたりと、色々と使える。本来はスタビライザー的な使い方をする物だと思うが、詳しくは知らない…

23-スチールクランプで接点代用

 スイッチの接点として『スチールクランプ』を代用。厚さ2ミリぐらいのアクリル板に、スチールクランプがピッタリはまる事に気付いたので。適度な弾力は『接点圧着用の板バネ』としても使える。
 錫メッキ鋼板なのでハンダも付き易いと思ったが、意外と難しかった。ハンダの成分は『鉛・錫・ヤニ』なので簡単に付くと思っていた。平坦な部分のハンダ付けは難しいのかな。それにしても下手だな、自分のハンダ付け…

 今までは記事内容を考えながら制作・撮影をしてきたが、はやる気持ちを抑え切れなくなり、既に完成しちゃってる。やはり、アクリル板を開封してからが早かった。

 一応 18V電球もあるので、感電対策として絶縁キャップをスイッチ棒の持ち手部分に被せてみた。

24-材料追加

 材料がさらに増えたが、使っているのは袋の中の1~2個だけ。なので実質コストは150円増し程度で済んでいる(グリーンLED・熱収縮チューブ・絶縁キャップ・丸型圧着端子…他)。

 抵抗は、LED の付属品(330Ω×2個)を直列で使う事にした。LEDは青色(B)・白色(W)ダイオードが高額。混色で青色を使うシアン(B+G)やマゼンタ(B+R)も高い。一方、赤・緑・黄は安いので、実験用は安いやつを使う。
 上記のグリーンの奴は LED と抵抗が5個ずつ入っていて(272円)、電材計10個として扱い 1個当たり単価を27.2円としておく。バラで買ったら LED と抵抗の値段は全然違うと思うけど…

 『洋折れ』を電源供給の端子(ターミナル)の代用にしたのは『ニッケルメッキ』だったから。本来は室内用品の金具の筈だが、ニッケルはハンダが付き易く、電気伝導性もいい。しかも錆びにくい。
 電気が流れ易いのは電子のやり取りが活発だからで、それは普通『酸化し易い=錆び易い』を意味するが、ニッケル材は電気をよく通すのに錆びにくい。電材パーツの優等生だ。だが、価格は高め…

25-発熱電球・並列ユニット(抵抗・スイッチ棒付) (LibreOffice Calc)

 表を見れば分かると思うが、材料のほとんどはホームセンターや百均で買っている。スーパー、量販店、リサイクルショップもよく利用するが、今回はリストに載らなかった。
 基本は交通費・送料節約のため、自転車で行ける範囲で行動している。電材パーツなんて所詮は数十~数百円の世界なので、よっぽどの事がなければ秋葉原までは行ったりしない。

使用例:

 まず、バッテリー電圧(端子電圧)を計測。やや消耗し、8.77V だった。この乾電池(006P型)は、新品なら 9V 強の電圧を示す。

26-端子電圧(8.77V)
27-赤赤・黒黒で接続

 次に、電池ボックスと電球ユニットのそれぞれの端子を『赤と赤』『黒と黒』でワニ口クリップで繋ぐ。電球や抵抗に極性はないので神経質になる必要はないが、テスター計測時にテスター棒の赤・黒を合わせる時に考えなくていいのが楽チンでいい。それに、いずれはダイオードなども使うので、一応+-の極性は常に意識しておく。

28-使用例(電圧計測・並列繋ぎ・7.65V)
29-使用例(電流計測・直列繋ぎ・130.6mA)

 写真では配線がゴチャついて分かりにくいが、電圧計測と電流計測でテスター棒を接触させている箇所が違っている所に注目。電圧計測と電流計測では、テスターの繋ぎ方が異なる事を覚えているだろうか(中学校理科で習った)。電圧計は回路に並列に繋ぐが、電流計は直列に繋ぐ。

 電子回路の中に『意味不明なショートピン』が差し込んであるのを見た事ないだろうか。それの基本は『オプションパーツ』増設用だが、あれは電流計測時にテスター棒を差し込む使い方もできる。
 今回の装置で電流計測する時は、スイッチ棒を OFFにすれば回路中にテスターを直列で割り込ませる事ができる。これは、OFF位置がショートピンジャック(+側)の代用になる訳。これは便利(作る人にとっては…)。

 この回路で要注意なのが『豆球の電流計測』だ。豆球は通電時抵抗が非常に小さく(2.5Vで8.3Ω)、その分多くの電流が流れる(300mA=0.3A)。なので豆球の電流はテスターを『10A MAX(10A DC)』モードで測る必要がある。
 この場合、計測を10秒以内で速やかに済ませ、計測が終わったら15分程度テスターを休ませる(冷やす)。アンペア数が大きい回路は、回路中の発熱量も大きい。それは乾電池の過熱を招き電圧降下の原因になるし、テスターにも余計な負荷をかける。なので、なるべく『10A MAX』計測はしない方が賢明。

 この回路では4種類の電球・抵抗の計測の他に、計4種類の合成抵抗の計測が出来る。それについては、いずれ別の機会に紹介したい。この回路は実用的とは言えないが、白熱電球と抵抗器の比較実験ができる。ふと頭に浮かんだ疑問を調べる上でも、とても良い教材になりそうだ。

 これらの実験機材が、いずれ何らかの疑問に応えてくれる筈。比較実験ができる回路を複数用意しておくと経験則の蓄積に繋がり、今後の電子工作において回路設計の足しになる。

 比較実験ができる装置があればデータが取れる。データを取り、それを考察し、そして先へ進む。実験をするというのは、裏付けを取りながら真実に近づく道筋である。


 この記事は、元々は『電気分解』『風力発電』『ソーラー発電』『蓄電&ダイオード』…特に『個人用発電』について書くつもりだったが、もうしばらくは、その下準備について書く。