パンデミック後の新世界を作るために (foussin’s blog)

(『見捨てられた世代』からの提言)

【ザ・磁力1/5】やっぱり電磁波のなり損ね(電界波?・磁界波?)は、ありそうな気がする…

【ザ・磁力、ザ・電子シリーズ:第1弾(1/5)】

 以前に書いた記事、

『電磁波』と『電流』は同じなのか違うのか…
https://foussin.hatenadiary.jp/entry/2023/10/18/145736

…で、自分は『電荷は必ず電磁波を出している筈』だと仮定して、あれこれ考えてみたのだが、さらに考えた末、電磁波のなり損ねは『やっぱりある』と思うようになった。今回はその説明をしたい。

 その一番簡単な根拠が『右ねじの法則』でお馴染みの、電流の周りで発生する『回転磁界』。あれは『電流を交流にして、尚かつ高周波にすると電磁波を出す』と、そういう事になっている。

 低周波の回転磁界は電磁波を出さない。でもあれは『閉曲線の磁界』だ。そして磁界は光速で伝わる。でも光子が回転するとは思えない。基本的に光子は直進する素粒子なので。要するにあれは光子でも電磁波でもない。つまり波の振動が光速で伝わっていると考えるしかない。

 で結局、磁界って何? これが今回のテーマ。

今回の内容:

  • A:電界・磁界の簡単な説明
  • B:電界の本質を簡単に説明
  • C:磁界の本質は簡単には説明できない…
  • D:電子に内在する電気力と磁力のバランス変化が世界を複雑化
  • E:負電荷力と磁力の『綱引き』は、加速度が変わった瞬間が決め手
  • F:今度は『右ねじの法則』と『磁力線』から磁界を探る…
  • G:磁力線は磁界と磁性体の連鎖反応で出来る(光子や電磁波は関係ない)
  • H:今回の総まとめ(長文):

A:電界・磁界の簡単な説明

 電界とは『電荷を動かす起電力』を持った空間であり、要は電圧(源)。それは空間に散らばる正電荷負電荷のバランス(電位差)によって成立する空間。そして電荷を動かす根本的な力は、プラスとマイナスによる引力・斥力。

 この電気力に起因する引力・斥力の事を特に『クーロン力』と呼ぶ。要するに電界とは、クーロン力が波動として伝わっている空間とも言える。

 一方の磁界とは『電子に内在する磁気が起磁力となって』外に漏れ出たもので、磁力を及ぼしている空間。その磁界は『電界の変化を抑制して現状維持しようとする慣性力』として働く性質があるらしい(動きにくい・止まりにくい)。

 そうなる理由として『1個の電子が -電荷・N極・S極 の 3つを持っている事』が影響するようだ。

B:電界の本質を簡単に説明

 ここでちょっと視点を変えてみる。

 電界とは、電子・陽子という『符号付粒子』が存在する事で初めて存在できる空間だ。電子・陽子は現実に存在するので、電界も『常に存在している』…だから重要な点は『電界の変化=電位差の変化=電荷の加速度の変化』の方にあると。

 つまり電界は消えない(変化するだけ)。

 電圧ゼロを『電界が消えた』と表現するから誤解が生じる。符号付粒子は消える事がない。こっちを優先事項として考えるべきだろう。

 符号付粒子は正電荷負電荷に分かれて独立して存在し(=モノポール)、互いに波動を放出して外の空間で引力・斥力を作用し合っている。これが電界の本質。この点こそ、磁界との決定的な違いだ。

 今度は『符号付粒子』を使って、引力・斥力がどう数式化されているかを見る。基本は『引力はマイナス』『斥力はプラス』で表現する。これは『乗算の理』を素直に受け入れれば、自然にそうなる。

・異符号(+-)の粒子には『引力(-)』が働く:-1 * +1 = -1
・同符号(--)の粒子には『斥力(+)』が働く:-1 * -1 = +1
・同符号(++)の粒子には『斥力(+)』が働く:+1 * +1 = +1

 そして力の強さを決めるために『粒子の個数』を絶対値で乗算。絶対値にするのは電荷の符号を変えないため。個数を追加する事で、それは電荷の集合体である『電界』として扱う事になる。要するに『電界1の総数』と『電界2の総数』の積で力を表す。そして、それぞれの電界は『負電荷と正電荷の差』を取って決める。

・電界1 * 電界2 = 力

・例1:-10 * +10 = -100(引力)
・例2:-10 * +1 = -10(引力)
・例3: -1 * +10 = -10(引力)
・例4: +5 * +10 = +50(斥力)

 例2、例3、…の正負のバランスが極端に違うのに結果が一緒という事に注目。これが腑に落ちない人もいると思うが、これは『小さい方が大きい方に引っ張られる事』を表したもので、引力自体は一緒。

 この後さらに『距離との比例関係』と比例定数(微調整用)を追加すれば『力の公式』が完成するが、それはもうちょっと後、別の記事で改めて説明したい。

 今重要な事は、電界の力と、その力の向きは『単純な掛け算』で表現できるという事。これで、電界の計算が意外と簡単な事が理解できたと思う。磁界と比べれば、電界は理解し易い。それは正電荷負電荷が独立した粒子として存在するため、頭の中でイメージし易いからだ。

C:磁界の本質は簡単には説明できない…

 ところが磁界の場合は、これほど単純ではない。だって、1個の粒子の中に『N極とS極が両方備わっているんだから』…これは『粒子の個数』だけで力が表現できる訳ではない事を示している。

 これは同時に、磁界の力は『±ゼロになる可能性』さえも示唆している。電界の力は絶対にゼロにはならない。もちろん数値としてゼロにはなるが、それは電位差ゼロという『状態が存在している』だけの話で、負電荷・正電荷の存在が消えた訳ではない。電荷がいる一点には『電荷量は存在している』という意味で。

 ところが磁界のゼロは『1個の電子だけで磁力線が閉じてしまっている状態』であり、他の電子との磁力線が繋がらない状態だと考えられる。これは事実上『磁力粒子(?)』が消えた事と等価と見なせる。

 つまり磁力粒子(?)には『中性状態』がある(N極かS極か分からない状態)。これは荷電粒子では絶対あり得ない。

 それは『右ねじの法則』の回転磁界を見れば理解できる。回転磁界では、どこからが N極・S極 なのかが判別不能だ。鉄心に磁束を通して『磁気誘導』を経由しなければ、永遠に N極・S極 は決まらない。

 ちょっと脱線するが、周期的に磁気誘導を発生させて誘導起電力を生じさせるのが自己誘導(直流イグニッションとか鉄心入り交流コイルの話題)。さらに相互誘導(トランスの話題)など、似たような用語が多くて紛らわしい。

 これも電界との重要な相違点だ。つまり磁界の計算は『単純な掛け算』では済みそうにないと想像できる。磁力の『±ゼロ』は掛け算ではなく『足し算』の導入が必要な事案だ。

 これは電界の総数を決める時の『正電荷負電荷の差を取る』と同じに見えるが、個々の電子は元々『N極・S極の両方』を持っている。どうやって『差』の計算をすればいいのか、全く見当がつかないではないか。

 電界は宇宙空間において常に存在している。それは負電荷・正電荷が独立した粒子として存在しているためだ。ところが磁界は『消えたり・生まれたり・継続したり』する。その理由が電子の特殊な事情によるものだと推測はできる。

 電子は負電荷であると同時に 1個の磁石でもある。つまり電子は『-電荷・N極・S極』という 3方向のベクトルを内在した粒子で、これが直線運動と回転運動を同時にもたらすと推測する。推測はできるが実像のイメージが浮かばない。

 磁界は原子の中にある電子の振舞いによって『生まれる』と考えるのが王道だが、それだと話が複雑になり過ぎるので、以降は導線の中の『自由電子』の振舞いを考えてみる。

D:電子に内在する電気力と磁力のバランス変化が世界を複雑化

 磁石は、ちょっと回転するだけで引力と斥力が一瞬で反転する性質を持つ。電子は負電荷同士で普段は反発し合っているが、同時に 1個の磁石でもある。

 2個の電子が外部の電界の力を受けて近づき過ぎると、電子スピンが揃って『2倍の磁力を持った1個の磁石』に変質する。この磁力が電子同士の等電位面の均衡を破り、磁界となって外へ漏れ出すと考える。

 電子には、その負電荷("-"符号付粒子)としての性質上、普段は電子同士が反発しあってお互いに身動きが取れない状態になっている。しかし電子は負電荷であると同時に 1個の磁石でもある。なので必ず磁力線を出している。

 ところが、その磁界は負電荷である電子同士で反発し合う等電位面の内側に引っ込んでいて、1個の電子のN極・S極だけで磁界が中和され、磁力線は閉じてしまっている…だから安定時の電子には磁力が現れないと考える。

・安定時の電子の磁界は『等電位面の内側』に引っ込んでいる

 しかし、外部からの電界の圧力が加わる事で電子が揺さ振られ、ちょっと動く事がある。その時の揺れによって磁石としての性質が出て電子同士に引力が働く。磁石には回転し易い性質があり、ちょっとした刺激によって、ある電子の N極と隣の電子の S極はくっつき易くなる。この状態を『電子スピンが揃う』という。↓

01-電子は電気力と磁力を持つ

※この図にはビジュアル的な説得力を持たせるために、あえて嘘を付いている部分がある。それについては後述する(ヒントは"右ねじの法則")。

 また、電子スピンと言っても、それは我々が知っている 3次元空間の回転とは異なり、10次元(?)などという高次元空間での運動を表すらしい。が、それをイメージするのは不可能なので、既知の知識で納得できる論理で説明を試みるしかない。

 図の点線の矢印は磁力線。電子が 1個の磁石である事を明示するために『方位磁針』の形で表現。磁石は同極を近づけると反発するが、それは直線的に反発するのではなく、回転しながら反発する。回転すると結果的に異極同士が対面する形になる。だから磁石には『引力優勢』の性質がある。

 磁石には『背中合わせ』に異極が張り付いている。そして磁力線が反対側の自分自身と繋がっている。これは自分自身に引力が働いている事を示すもので、磁石が回転し易い理由にもなり、引力優勢の理由にもなる。

 電界(電荷)が動くと磁界が変化するというのは『電子の磁石としての性質が引力として』突如姿を表すためだ。電子は元々磁石なのに、普段はマイナスの反発力の方が強くて表に出てこない訳ね。

 そして、導線の中の電子スピンが不安定に揺れながらも、一応全部の電子が同じ向きに揃いながら同じ方向に動いている状態が『電流が流れている状態』だと推測できる。

 次に突き止めたいのは、

・『電荷が動くと磁界が生じる』の意味(誕生)
・『磁界は電流に慣性力を与える』の意味(継続)
・『生まれた磁界はいつか消える』(減衰・消滅)

…これだが、既に『等電位面の内側』という大きなヒントを得ている。次は、その発展篇となる。特に『動かない磁界(消えずに静止して存在する磁界)』が電流を発生させない『理由』に言及している参考資料は非常に少ないので、それを攻略するのが磁界を理解する大きな足掛かりになると思う。

E:負電荷力と磁力の『綱引き』は、加速度が変わった瞬間が決め手

 これらの挙動を『磁力の視点で仮の数値』として表してみると、こんな感じになると思う。↓

●磁力0:電子同士がマイナスの反発力によって離れすぎていて、1個の電子だけで磁力線が閉じている状態。外に磁力が漏れ出さない『電子の安定状態』を意味する。電子同士の『相対速度がゼロ』なら、この状態が維持される。つまり加速度が掛かると安定状態も終わる(加速度は光速で伝わる)。

 『電荷が動くと磁界が生じる』とは、こういう意味になる。ただし自分が考えるそれは、宇宙空間に電子が1個あるだけでは、その電子がどんなに動き回っても『磁界が外に漏れ出す事はない』という考えだ。

 『2個以上の電子が密着状態の時(2個以上の電子スピンが揃った時)』に限り、電子同士の負電荷の反発力と『電子磁石(?)』の引力が拮抗し、磁力が外へ漏れ出すという考え方。これが磁界の正体だと自分は考える。

 マイナス電荷は常に存在するが磁力には『中和状態』があるために、こんな事が起こる。しかも電子自身が磁力と負電荷の両方の力を持っている事も要因としてある。

●磁力+1:磁力0 の電子の『N極側』の端っこから出る力。
●磁力-1:磁力0 の電子の『S極側』の端っこへ入る力。

●磁力+2:2個の電子が1個の磁石になって『N極側』の末端から出た力。
●磁力-2:2個の電子が1個の磁石になって『S極側』の末端へ戻った力。

 ここまでは『負電荷の斥力』と『磁界の引力』は拮抗すると思うが、電子が 3個以上の束になると、負電荷の斥力の方が相対的に弱くなり、磁界は外の世界に飛び出す事になる筈だ。

あくまでも仮の話だが、電子1個の負電荷の電気量を『-1』と仮定すると、等電位面で安定する電子には隣の電子と併せて常に『-2』の反発力が働く。これが電子1個の磁力を無効化するのは容易に想像できる。

 しかも電子1個の磁力は結局『+1 + -1 = 0』なので『存在しない』と等価になっている。それに対して、符号付粒子(負電荷)の力は消えない。存在し続ける。これが後の『磁力の消滅』にも何らかの関与を果たすのは容易に想像できる…

 つまり、電子同士に掛かる負電荷力(斥力)と磁力(引力)は、加速度が変わった瞬間の『綱引き』で決まると自分は確信。


 次。一度くっ付いた磁石は簡単には剥がせない。

 それは電子も同じで、各電荷の加速度がゼロになっただけでは、くっついた電子が元の『引き籠り状態』に戻る事はない。これは磁力線が『同じ形を維持する事』を意味する。つまり『複数電子の磁力線の繋がり』は解消されずに継続する。

 つまり磁力線は消えないが、変化もしない。いったん生まれた磁界は、簡単には消滅しない。これが『慣性力』の起源だと想像できる。永久磁石が磁力を継続し、ずっと同じ磁力線を放射できる理由もこれで説明がつく筈…

 その間、導線の中の自由電子は等速運動を継続する事になる。金属の中には空気は入っていない。その中で移動する自由電子は、真空の宇宙空間にいるのと同じで、つまり等速運動をする。そして変化しない磁界の中で現れるのが『慣性力』という力だと考える。

 『磁界は電流に慣性力を与える』とは、こういう意味になる。そしてこの時に流れる電流は『直流』である。ただ、永久磁石の磁界で電流が生じない理由は、これだけでは説明できていない…


 くっ付いた磁石を剥がすには、逆向きの加速度を与えるしかない。そうする事で等速運動を止める力が働き(減速)、それは電子スピンの向きも逆回転させる。その過程でちょうど『半回転』した時、隣の電子との磁力線が切れて、磁力の引力は一瞬『±ゼロ』に戻る筈だ。

 その時、負電荷同士の斥力(-2)が磁力の引力を振り切る瞬間ができ、磁界を電子の等電位面の内側に引っ込める事ができると考える。

 隣り合う電子同士において、負電荷の力は常に不変だが、磁力は電子スピンの向き次第で変化する…これが磁界の変化を促す要因になっていたと考える訳。結局、磁界だけ見ても分からない。電界だけ見ても分からない。2つの因果関係を両方見て、それで初めて分かるのが『磁界の変化』だった。

 これによって初めて『磁界は消滅』する。そして磁界の消滅と等速運動の解消が伴う事で『電流は止まる』と考える。

 これは余談だが。実際の電流は、電圧を掛けるのをやめるだけで、すぐに止める事ができる。その理由は『地球の重力』と『導線内部の摩擦抵抗』が電荷の動きを減速させ続けるから。一応、念のため。


 ここまでのまとめと、未解消の疑問を整理。

 磁力線には必ず回転成分があるので、N極から出た磁力線は自分自身のS極へ戻って来る。で、その力の総数は常に『±ゼロ』となる。つまり、磁力という力は『磁極の端っこ』で強く現れる性質がある事が分かる。

 箇条書きにした事で、ちょっと見えてきた気がする。そして、磁力0 を決めるには外部電界の影響があるかどうかを決める『条件分岐(加速度の有無)』が必要だと分かる。これは『電流の有無(とベクトル変化)』で見ればいい筈。

 しかしまだだ。磁界の本質は、まだ見えていない。特に、最初の図では『右ねじの法則』と『磁力線の向き』の整合性に矛盾があった。実際の磁力線は、電流の向きに対して直交した向きで発生し、しかも回転しているのだから…

F:今度は『右ねじの法則』と『磁力線』から磁界を探る…

 そろそろ、先ほどの図の矛盾を修正したバージョンを示す必要があるが、まずはその前に『右ねじの法則』と『磁石の磁力線』の図を示す。まずは右ねじの法則から。

02-アンペールの右ねじの法則
03-右ねじの法則を実験で確認
04-自作の方位磁針

 磁界は目に見えないので『右ねじの法則』を確認するなら、磁界の傍に方位磁針を置くのが定番実験となる。ていうか、エルステッドという理科(?)の教師が電気の実証実験の授業中に、偶然これを発見した。アンペールやファラデーの活躍はその後の話。

 磁界と電気の発展はそこから始まったというのだから、これは『歴史の世界線』が変わった瞬間の、決しておろそかにはできない重要実験といえる。

 磁力を引き出すには多めの電流が必要になるので、電圧は 3V 程度、さらに抵抗の小さい回路で実験する。写真の回路もワニ口クリップの『接触抵抗』ぐらいしかないので、ラッシュ電流は 3A を軽く超えたと思う。回路の初期抵抗は 1Ω未満の筈なので。

 3A もの電流が流れても、針がちょっとしか振れないのは、鉄製の針(自作・左)が重すぎたのと、プラスチックケースの絶縁性が良すぎたため(市販品・右)。アウトドア用のコンパスは実験には向かないらしい。

 性能差のある 2つの磁石がほぼ同じ角度で振れたのは『磁気誘導』の効果も加味されたから、らしい。どうやら市販品の磁針は、サドルバンドの『鉄』に反応した可能性の方が高いような…

 手早く実験しないとプラスチック製の電池ボックスが熱で溶けてしまうので、割と危険な実験だ。自分も、撮影でモタついている間に何度も電池ボックスを溶かしている…だから電池での電源供給は推奨できない。本当は抵抗を入れるべきだが、それだと磁束がちょっとしか出ないので…

 要約すると、導線に『電流を流すと』決まった向きで導線の周りで回転磁界が発生するという法則。電流の向きと、磁界が回転する向きを『右ねじ』に例えて説明した法則(高校で習う)。何故こうなるのかはよく分からないが、ただ事実として受け入れるしかないというのが実情。

・電流を流すと回転磁界が発生(右ねじの法則)

 おそらくは、電子が直線力(電気力)と回転力(磁力)の両方を持っている事が関係していると想像するが、とにかく電磁気学は、これを土台として肉付けするしかない。そして最初に見せた図(01)では、この『右ねじの法則』がちゃんと適用されていなかった。

 次は磁石の磁力線について考える。前述の事はいったん忘れて頭を『まっさら』にして、右ねじの法則だけを頼りに磁界を考えてみる。自分が立てた仮説が『どうも腑に落ちない』…そんな時は概して『勝手な思い込み』が真理追求の邪魔をしているものだ。これ、すごく大事なところ。

05-磁石の磁力線

 磁力線は、こんな形をしている。注目すべきは『左右対称の回転磁界』になっているところ。右ねじの法則の回転磁界とは随分印象が異なるが、そこに回転磁界があるならば、その中心には電流が流れている筈だと考えるのは、ごく自然な発想と思える。ファラデーも、きっと同じ事を考えた筈だ(?)。

発想1:『見えない電流』が流れている結果、その磁力線がある(?)

06-磁石の周りにも、実は電流が流れているのでは(?)
07-念のための実験

 これは『右ねじの法則』が磁石にもそのまま適用される理屈。実際の磁力線は立体的なので電流が流れているとしたら、それは磁石の周りで回転している筈。これを確認するなら、磁石にコイルを巻き付けて、電流が流れているかどうかを確認すればいい。とは言え、これが上手くいかないのは既に知識として知っている。

 「ち、流れねーのかよ。使えねーな…」(ファラデー)

 と言ったかどうかは知らんけど、落胆はするだろうね。で、この怒りをどこにぶつけたらいい? などと考えながらコイルを雑に扱っていたら、ある日異変が起きた(電磁誘導を発見した)。みたいな(?)。

 実際の話は「電流を流すと磁界が発生するなら逆もあるだろ。磁界を発生させれば電流が生じるのでは?」という事なので、上の実験とはちょっと違う。

 問題は『永久磁石で発生している磁界では何故電流が流れないのか』という事。それに対する答も決まっていて『動かない磁界は電流を生じない』…だ。でも自分が知りたいのはその前。

なぜ動かない磁界は電流を生じないのか?

 磁界が空間の歪みなら、電荷はその歪みに沿って転がり、結果として電流が流れる筈…自分はずっとこれに固執していた。ところが、鉄の磁石にテスターで通電チェックしても反応しない。抵抗も測れない。測定レンジを最大にして、やっと20MΩぐらいだ(動ける自由電子がちょっとだけある?)。

 で、あれこれ考えているうちに、自分が重大な勘違いをしていた事に気が付いた。自分は今まで何となく磁力線や電気力線の事を、今現在『光子が行き来している現場』だと勝手に思い込んでいた。

 つまり N極と S極の間を光子が行き来して磁力線は出来ると。そして電流の回転磁界も、光子がグルグル回転しているものと思い込んでいた。だが、どうやら違うようだ。

 回転していたのは光子ではなく、導線内部の自由電子、もしくは電子スピン、そのどっちかの可能性が出てきた。その振動が『回転磁界』として現れる…つまり磁界とは『空間の歪み=波』であって、光子のような『エネルギー実体』ではないと考えた。

 まず、光子や電磁波がこんなに短い距離で曲線を描ける訳がない。光子は導線、もしくは磁石全体からまんべんなく放射され、その軌跡は直線の筈。磁力線は光子が通った後で歪んだ『空間のシワ』で、そこにあった物質中の電子スピンの向きが磁力線の向きに引きずられる現象(磁気誘導)と考えるべきだった。

 つまり磁力線とは『磁気誘導』が視覚化された姿だと。

 そして磁石の磁力線は『空間が曲がったまま静止』すると考えた。普通、波と言ったら振動するものと思い込むが、磁石の力は空間自体を歪めたまま静止させる。だから空間の振動エネルギーも生み出さない。そして磁石の引力・斥力だけが、特に磁極の端から外の世界へ漏れ出す。

 しかし本来ならば、空間の歪みは引力・斥力を生み出し、電荷を転がして動かす筈なのに、それでも電流はピクリとも流れない。その理由も引力にあった。ここで前項目の…

E:負電荷力と磁力の『綱引き』は、加速度が変わった瞬間が決め手

を思い出そう。ここで『まっさら』を撤回する。

 永久磁石の消えない磁界は『慣性力』として残っているだけのものだと。その時の電子は負電荷の斥力よりも磁力の引力の方が優勢になっている。しかも電圧が掛かっていない上に回路として開いているので電子は静止したまま。これでは電子はお互いに身動きができず、自由電子は外へ飛び出せない。

 そして動けないからこそ、磁極の端っこから力だけが外界に漏れ出すと考えるのだ。その力は引力・斥力となって空間を歪め続ける。そして電子が動けないなら電流が流れる筈もない。

 結論を簡単に言うと、こうなる。

 磁石による強力な引力・斥力が発生しているにも関わらず、その力が電流を発生させないのは、電荷(電子)自身が、鎖状に繋がった電子同士で強め合った磁力の引力によって束縛されて動けないから。

 これが『強力な磁石には電流が流れない』理由になる。ただし、これは常温・常圧での話。電子スピンが反転するほどの高電圧、もしくは高熱を加えれば、電子は解放されて『磁石はただの導体』に戻る。

G:磁力線とは磁界と磁性体の連鎖反応(光子や電磁波は関係ない)

 磁力線とは、そこに生じた磁界と、そこにあった磁性体の連鎖反応に過ぎないと考えてみる。物質は陽子・電子・中性子から出来ている。電荷が動けば磁界が生じる。磁界も電界も、どっちも空間に生じた歪みである事は変わらない。

 そして磁力線とは、

電荷(磁性体)が歪みに沿って動いた軌跡
・または、これから電荷がそこを通るレールのようなもの
・新たに生じた磁界と元からそこにあった物質の連鎖反応

…だと。このレールは、強力な磁力によって出来た空間の歪みだ。この歪みは、磁力が消えない限り固定して存在し続ける。この継続する性質も『慣性力』の一面だと言える。電荷が動くと磁界が生じる理由は既に書いた。原因は電子の挙動にあったと。

 空間の歪みが電磁波・光子によって発生するのは事実だとしても、電界や磁界はそれらが通った後に出来た残像のような波、もしくは『電磁波のなり損ね』だと考える。光子や電磁波が、電気力線や磁力線のような曲線を描いて進む訳がないからだ。

 磁界が生じれば、その周辺にある物質(電荷)に起電力が生まれ、動く動かないは別としても、物質中の電子スピンは変化し、砂鉄のように磁力線に沿って整列をする。それを連鎖反応と表現した。磁力線・電気力線は光子の軌跡ではなく『電荷』の整列によって形作られる曲線と考える。

 つまり磁界の中に落ちた物質が、磁気誘導によって小さな磁石になって留まったものが磁力線を形成する、と考えた方が自然だと気が付いた。

 空気中の微粒子や砂鉄の中には多数の電荷(磁性体)が含まれている。そして荷電粒子はゆっくり動くので(質量があるから)、その軌跡は出発時の方角が何処へ向いていようと、N極・S極 2点間の『力学的中点』を通るベクトル和の値を取る。だから磁力線は曲線を描けるのだと気が付いた(たぶん電気力線も同じだ)。

 とりあえず今は、電界・磁界の波の干渉によって『磁力線・電気力線はできる』と考えている。電界・磁界は、やはり電磁波の『なり損ね』だと思う。そして同位相の波の干渉は斥力となり、逆位相の波の干渉は引力をもたらす。で、

・磁力線はN極・S極2点間の力学的中点を通るベクトル値
・電気力線は正・負2点間の力学的中点を通るベクトル値

 これは計算で求められる事案だ。コーディング欲がそそられるが、今それを書くとさらに長くなるので、それは別の機会にでも改めて書きたい。数学的な問題だったら、それはネットで探せばソースはいくらでも出てくると思う。

H:今回の総まとめ(長文):

 磁力線、磁界…このうちの磁力線は、磁石によって歪みが固定されて振動できない状態の磁界を指す事が多いのかな、と思っている。振動できないから電流も流れない。

 電界・磁界の発生元とも言える電子が、自分たち自身の引力で動けなくなるのが永久磁石だ。強力な磁界が消えずに残っているのに、その力を以てしても電流が流れない理由が、そこにある。

・空間が歪んだまま静止=電子も静止=電流も流れず(電荷は転がらない)
・その代わりに磁極の端っこから強力な磁力を出す

 で、普通の磁界は『空間の歪みが振動できる状態』の空間ではないかと。電流の回転磁界もこれに含まれる。電流による磁界は、導線の中で動く電子の振動が作り出す。で、『回転しているのは光子ではなく電流によって生じた磁界の振動波』だと考える。それが『磁界波(?)』になる、と。

 電子が動く反対向きに電流が流れる…これはただの約束事だが矛盾はない。『電流=電荷が動く』なので、それで磁界も振動しながら回転する。

 回転磁界は電磁波になり損ねた波、仮に『磁界波』だと考える。これは光子(電磁波)ではないが、波は空間を光速で伝わる。それ自体は変わらないので、回転磁界は光速で回転しながら、同時に光速で同心円状に広がっていくと考える(ただし閉曲線なので電磁波とは違う)。

・グルグル回転するだけの磁界は電磁波にはなれないと思う

 そうなると、以前に書いた『電磁波と電流は同じなのか違うのか』で書いた事を修正しなきゃいけないと思い始めている。が、やっぱりそのまま残す。前回の誤りを正すプロセスとして今回の記事があるからだ。

 今回の記事のモチベーションとして前回の記事がある。前回記事を安易に修正すると、今回記事の必然性も半減するのだ。間違ったらすぐ削除しちゃう SNS の風潮に敢えて意義を唱える。それはネット情報の信憑性を自ら下げる悪行だと気付くべきだ。修正するなら 取り消し線 を使いなさい。
 一度情報発信したものは、二度と取り消せないという『覚悟』が必要だ。他人のブログに勝手に付けたコメに削除要請をしてくる人がいるが、そんなのはもっての外、無責任の極みである。
 誤りに気付いたら『素直に認めて』、その訂正は『別記事』で扱うのも覚悟だ。間違った情報が『アンチに悪用される』のも覚悟の上で発信してほしい。『ネット空間での誠実な理性』が最後に残るためには、安直な削除を蔓延させない自制心が必要だ。


 話を回転磁界に戻す。

 そして回転磁界は、交流周波数を『30kHz以上の高周波』にした時だけ『電磁波』を放つ事ができると聞いている。電磁波と回転磁界の違いは、半回転したタイミングで空間へ飛び出せるのが電磁波、導線の周りをグルグル回るだけなら回転磁界になると今の自分は考えている。

 思っていたよりも早く結論が出せて、自分でも驚いている。もっと長文になると思っていた。で、上記を自分なりの仮説という事にして、その仮説を漏れなく注入したのが次に紹介する 2つの図(08,09:右ねじの法則も織り込み済)。

08-電子は電気力と磁力を同時に持つ(修正版)

 まず、これは電流が流れていない時の導線の模式図。等電位面の安定状態のリアルな姿は右の『正三角形』の配置になる筈だが、左側の直方体の方が説明し易いので、このように変形した。これは導線の状態を、上下左右の向きを軸とした『直交座標』に変換した姿だと考えてみた(?)。

 だとしたら、この場合の正方形の斜辺(√2≒1.4)は何を意味するのか。直交座標の斜辺は『x^2 + y^2 = r^2』…つまり三平方の定理。これを図に当てはめると、

・(電圧力+負電荷力)^2 + 回転力^2 = 磁界ベクトル(の時間変化)^2

…みたいになるのだろうか。この図をじっと眺めているだけでも、たぶん『複素数(x+yi)』や『直交座標』を理解する手掛かりが掴めそうな…そんな感じがする。

 導線の中には『自由電子』が詰まっているが、電子はマイナスの電荷を持つので電子同士は反発し合って、お互いが離れた位置に配置され、バランスが取れた状態にある(自由電子は陽子の影響を受けないという前提)。

 電子は 1個の磁石でもあるが、負電荷の反発力によってお互いが離れすぎているために『磁力による斥力・引力』は隣の電子には届かない。それが『左右対称の磁力線』となって現れる(自己完結で閉じた磁力線)。

 既に述べたように、元々磁石(電子も磁石)は回転し易い性質を持っていて、些細な刺激で立体的に向きが変わる。つまり磁界の挙動を正確に知るには『立体図(3次元)』で表現する必要があると思った訳。

 そして右の導線の断面図。実際の電子配置が連続する正三角形で出来ている事から、これがちょっとした刺激で容易に回転しそうな形になっている事に、誰もが気付くと思う。図(08)は非常にシンプルだが、示唆に富んだヒントに満ちている。

09-電荷が動くと磁界が発生=右ねじの法則(修正版)

 本題はここから。『電荷が動くと磁界が発生する』…知識としては知っていても、なぜそうなるのかがずっと分からなかった。でも作図してみたら本質の一端が見えてきた。

電荷が動くと磁界が発生する
・電流が流れると回転磁界が発生=右ねじの法則

 これは同じだった。そして『回転磁界の始まり』とは…

 加速度が働いても、実際の電子同士は衝突する訳ではなく、逃げやすい向きへ動こうとする。それが電流の向きに直交する磁界の方向を指していると考えた。加速度の向きには電子同士の反発力が既にあるので、油圧ポンプの如き圧力が掛かっていて簡単には動けないだろう。ならば結論は 1つしかない。

 電流の向きは斥力(反発力)と引力が振動として光速で伝わる向きに過ぎず、実際の電子は直交する向きへ逃げるように回転を始める。こう考えると『右ねじの法則』での回転磁界の説明も一応できる。これが矛盾のない動きだと。これが、磁極(電子スピン)が揃う前に起こる『最初のアクション』だと考える。そして、

・電流が生じると磁力線の形が変わる

 一番最初に見せた図(01)では、電圧と同じ向きの電子が磁力でくっつく図にしたが、これが根本的に間違っていた。しかも磁力でくっ付いた磁石に『左右対称の磁力線』を書き入れていたが、これも大間違い。実際は『導線断面を1周する1本の磁力線』になる。

 なぜなら、電圧の刺激で全電子の磁極が揃うと、隣同士の電子の磁力線は互いに反発する向きになって打ち消し合いが起こるからだ。これはコイルに発生する磁力線と同じ原理。

・自然現象は極微から極大まで『自己相似形(再帰)』を貫く。

 ただ、回転する向きが決まっている理由は分からないけど。たぶん電子が『-電荷・N極・S極』という 3つの力を持っている事で、奇数個であるが故の『対称性の破れ』が、決まった向きで回転する理由だろうと想像している…

 それと、

・回転磁界には明確な磁極がないのに磁石にはN極・S極がある

…この理由も、図を見れば理解できると思う。グルグル回転するだけの回転磁界に明確な磁極がないのは、それほど不思議とは感じないが、それでは何故磁石には磁極があるのかをパッと答えられる人は多くはいないと思う。

 そのヒントが上の図にある。模式図では、その中の電子は電圧に押されて移動すると同時に、圧力から逃げるように直交した向きで回転をしている。これが電流の実体だと思う。そして電流が流れる事ができるのは、導線が『閉路』だからでもある。周回運動の可否が電流の可否でもある。

♪閉路は続くよ、どーこまーでーもー。(閉路には終点がない)

 一方、永久磁石は閉路ではない。どっちに言っても『行き止まり』になる。という事は、行き止まりの端っこに居る電子は、誰もいない壁の外へ磁力を放射するしかない。だから磁石は『末端の磁極から強力な磁力を放射』する訳だ。

 回転磁界には磁極は無いのに、永久磁石には明確なN極・S極があるのは、そういう理屈。そして磁石を半分に切っても磁力が分かれないのは、電子の鎖が半分になるだけだから。電子スピンで繋がった鎖の両端がそれぞれN極・S極になる。ただそれだけ。

 そして磁界には回転する性質があるので、外に出た磁力線は回り回って反対側の磁極まで届いて繋がる。つまり長い目で見れば『磁石も回転磁界を出している』と、そういう事にもなる。

 もちろんリング状の磁石もある(一見すると閉路に見える)。が、それでも電流は流れない。既に述べた通り、磁石の中の電子は電子スピンが揃った事で、お互いが強い引力で束縛されて動けないからだ。電子が動くから電流は流れる。電子が動けない磁石の中では、電流が流れる事は無い。

 さらに、図(09)では『引力で接近した電子のその後には 2つの選択肢がある』と書いている。その 1つ目は、

・導線断面を周回する電子の回転半径は縮む

 電子に磁力による引力が働くと、電子同士の距離は近づく。それが導線断面で輪になっているのだから、その半径も短くなる。つまり電子は、導線の中心部へ移動しながら回転半径を縮める事になる。そして 2つ目は、

・今まで見えなかった電子が突然姿を現す

 今まで見えなかった電子が、回転半径を縮めている輪の中に新たに加わる事で、電子間の間隔が短くなった隙間を埋める。『今まで見えなかった電子』とは、原子の別の場所に潜んでいた電子が、電圧のショックで飛び出たものだ。

 原子内部の電子殻(電子軌道)には『価電子帯・禁制帯・伝導帯』というエネルギーバンドの区分けがあり、電流の元となる自由電子は、普通は『伝導帯』にある。が、価電子帯と伝導帯は重なる領域があり、自由電子の移動が条件次第で起こる。そういう仕組み。


 上の図(09)では、

電荷が動くと磁界が生じる(これは難しくない…)
・磁界は簡単には消えない(慣性力)
・動かない磁界は電流を生じない(歪んだまま静止する磁界)
 (歪んだ空間で電子が転がらない理由=引力が電子を束縛)

…が上手く説明できていると思う。

 今回の一番大きな収穫は『動かない磁界が電流を生じない理由』が、自分なりに納得できる形でちゃんと説明できた事。

 上の図を見て、さらに気付いた事がある。それは…

 電流は電圧に対して、常に『直線的な向き(反対向き)で作用』する。右から電圧を掛けたら電流は左に流れる。何というか、反射的な反応をする。そしてこれが『モノポール』である電荷という粒子の特徴ではないだろうか。

 それに対して、磁界は電流の向きに直交し、さらに回転運動をする。これらの解釈を、

1.電界(力)は直線間(1次元)で電荷に作用する。
2.電磁波(波)は平面空間(2次元空間)に直接作用する。
3.磁界(力)はベクトル空間(3次元)で電界と相互作用。

…と考えてみた。

 2. は今回は余談だけど、電磁波の本質は文字通りの『波(と光子)』であり、直接平面空間に作用する力ではないかと。そして電磁波が電界と磁界という『3次元の力』に枝分かれしたり、再び平面波として統合するのだと解釈してみた。

 それに対して、電界の本質は『2点間の電荷同士の力の作用』を表すと解釈した。2点間の力の作用が『直線的』になるのは当然の事。ただし『3次元空間の中で』直線的に力が働く。つまり 2点が動いていれば、それは電気力線のように曲がり、電荷の軌跡は曲線を描く訳。

 ここが『核力(強い力)』とは根本的に違うと考える。強い力の場合、そもそも曲線を描くための『長さ・幅』という概念さえ無いかもしれない。プランク定数レベルの量子的サイズの最小単位ならばそれもあり得ると。

 そして磁界だが、見えてきたのは『力を逃がす向きとしての回転力』ではないかと思い始めている。磁界は『磁力』という力の波だが、それ以上に『向き(ベクトル)』という意味合いを強く持っている気がする。

 そして『ベクトル空間』と呼んでみたのは、単なる立体空間ではなく『動きと変化のある電界』との相互作用で磁界は誕生・継続・消滅し、電界との位相や時間軸などを絡めた『直交座標』で表現されるのでは…と思ったから。つまり磁界の計算には『複素数(虚数i)』が絡んでくるのでは、と。

 回転運動と立体空間は不可分の関係にある。しかも直交座標空間だとすると正直なところ、これは自分には荷が重い(難問…)。

 磁界については、まだ理解していない所も多い。電磁誘導、レンツの法則、フレミングの右手の法則等々。知識として知っているだけでは応用が利かない。それは嫌だよね。やっぱり。

仮に力関係をこう考えたらどうか:

(数値は複素数で表す:x+yi)
(粒子の個数を n とする)
数値(数式)は全く分からないが、要するに、

・電磁気力は『裏表』の平面空間の力学で解く(虚数軸の導入は必然かと)
 (裏表:+・- & N極・S極)
・『電気力の引力・斥力』は“符号付粒子n個”の掛け算
・力(F)の公式は『引力はマイナス、斥力はプラス』で表す(乗算の理を適用)
・『磁力の引力・斥力』は“電子n個”の掛け算(?)
・中和状態の電子:電気力>磁力 (電気力の反発力が勝る)
・電子スピンが揃った時の電子:電気力≦磁力? (回転+振動?)
・電子の計算には『何が何でもマイナス』にする仕掛けが必要? (虚数i ?)

これらを1個の数値で表現するには複素数を使うしかないだろう…
これらを表現する『正しい複素数』を誰か教えて…

 今回は『右ねじの法則』が上手く説明できた。これは『フレミングの左手の法則』に置き換えても特に問題は無いと思う。

 問題は、今回のロジックを使って『電磁誘導』や『電磁波』も同じように説明できるかどうかだが、もう疲れた。今はこれ以上考えたくない。特に最後の作図は『修行』レベルの面倒臭さだった。作図している最中にも新たな気付きが生まれ、その度に修正を余儀なくされた…

 今後しばらくは【ザ・磁力、ザ・電子シリーズ】を続ける予定。シリーズは第5弾までを考えているが、次回は1回休みで、別ネタ『電磁波による引力・斥力』について書く。