パンデミック後の新世界を作るために (foussin’s blog)

(『見捨てられた世代』からの提言)

音波や水面波には「波の干渉」が起こるけど、重力波は?

(思考実験:2021/05/07fri ~ 2021/05/11tue)

 前回、重力・重力波の思考実験を晒してみた。で、今回は電磁波・電磁気力について書こうと思っていた。前回は、重力波を縦波と仮定する事で、割とスマートに引力(1種類の力)だけが働く仕組みを説明できたと思った。
 が、波というのは干渉によって増幅したり、逆に打ち消したりもできる。前回の説明では、波の干渉の説明に欠落があった。

 干渉の理屈でも引力は説明できる。2つの物質間で波の干渉が増幅され、波の振幅が大きくなる事がより強い引力を生み出すと考える。だが、重力波には「波を打ち消す干渉」は起こっていないように見える。
 これをどう説明するかが示されていないと気が付いた。結論から言ってしまうと、重力波では「波を打ち消す干渉」は起こらないと考える。これは音叉を鳴らした時の干渉を想像すると理解し易くなる。

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音叉-増幅.png

 図の「青い音叉」と「赤い音叉」は、どちらも同じ周波数の音を出す音叉とする。で、音波とは「進行波」であり、空気の粒子の密状態が進行方向へ移動する事で音が伝わる。
 罫で囲んだ図は空気の粒子が音波の媒質として「玉突き」しながら伝わる様子を表したもの。
 音を鳴らす前の空気は一定密度のフラットな状態になっている。それを「音なし」と表記。音を鳴らすと空気は疎密波の「進行波」となって伝わって行く。

 仮に、2つの音叉を鳴らすタイミングが多少ズレたとしても、音波の先頭は常に「密波」なので、ほとんどの確率で「密と密が衝突」し、音波の振幅は強まると考える。それに対して…

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音叉-打消.png

 2つの音を「逆位相」でぶつけた時だけ、例外的に音波を打ち消し、無音にする事ができる。上の図はそれを表している。
 具体的には、青音叉の音波の「疎波」が赤音叉に届いた瞬間に、赤音叉を鳴らせば「逆位相」になる。これは2つの波が「半周期」ズレた干渉によって成立する。下図の「進行波」では、赤音叉を鳴らすタイミングを赤丸で表している。

 この時、疎波と密波で音波を打ち消してしまうので、空気の振動はもちろん、相手の音叉の振動まで止めてしまう。空気の振動と密度がフラットに戻されてしまえば、それ以降は音波が進行する事はない。
 音叉のような音なら、逆位相を1回ぶつけるだけで無音にできるが、電子ブザーやノイズ音は強制的に振動させて音を出すので、その場合は逆位相も継続的にぶつける必要がある。それを実用化したのがノイズ・キャンセラーだ。

 ちなみに、逆位相は「反射による定常波」とは別物なので念のため。定常波は、進行せずにその場で振動を繰り返す現象だが、実際は進行波と反射波の合成によって定常波は生まれる。

重力波に逆位相が生じると、引力ではなく斥力が働いてしまう…

 話題を重力波に戻す。まず、波の基本は媒質の弾性によって振動し、それが周辺に伝播する現象だった。で、音が聞こえるのは音波の副作用、重力を感じるのは重力波の副作用だ。

 そして、重力波も音波と同じ縦波だと自分は考えている。で、縦波は疎密波。重力波の場合は、密状態では「ヒッグス粒子も密」と考える。ヒッグス粒子は「動きにくさ」を決める粒子に過ぎない。
 なので、密だからといっても「斥力」が働く訳ではない。ただ、動きにくさが MAX になるだけ。だが、逆に疎の状態だと「物質は動き易くなる」ので、物質は波が「疎」になっている方向へ引っ張られて行く。

 で、重力の疎密波とは「動き易さと動きにくさ」が交互に作用する波と考える。その結果、波は光速で移動できるのに対して「物質は光速よりもずっと遅い速度でしか動けない」と結論できる。

 これが人の目には「引力」に見える訳。疎密波というと「バネの弾性」の方が想像し易いか。バネが疎の状態の部分は「弾性エネルギーが最大」になっているので、引っ張る力が強く働く。
 これだけでも、引力の説明としては充分だと思うが、波の干渉については説明不足だ。仮に、重力波で「波を打ち消す干渉(逆位相)」が起こった場合、物質間には引力ではなく、斥力が働いてしまうのだ。

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重力波で引力(斥力?)が生じる仕組み.png

 図[1]で示した通り、重力波は「前後左右上下の全方向に放射」されているので、2つの物質間に「逆位相」が起こってしまうと、反対側の疎波に引っ張られてしまい、結果的に斥力が表れてしまう(図[3])。

 しかし宇宙には、重力波に逆位相が生じた現象は確認されていないと思うし、そんな事は今後も起こらないと考える。
 まず、重力という力は、3次元宇宙が誕生し、3次元物質が誕生した瞬間から「重力子は物質から放射され続けている」と考えられるので、逆位相の重力波が後で発生する余地は皆無と考える。

 重力波は、質量があれば自動的に放射されるので、人為的に「逆位相」をコントロールする事も不可能。結局、加速度(遠心力)以外の方法で、人類が重力を操作する事は不可能だろう。
 しかも、相方から放射された重力波が到着した後、さらにそれが通り過ぎるまで自分の重力子の放射を我慢する事も不可能と考える。重力子を放射する物質は早漏だと考える訳。

 また、逆位相は「半周期」ズラす事で起こるが、重力波振動によって生まれる引力によって物質の方が先に動いてしまい、半周期のズレが補正されてしまうと考える。つまり重力波には「整数倍周期の定常波」に収束しようとする性質があると考える。

 さらに、光速で伝わる重力波と空間の相互関係も何かありそうだ。この場合、半周期のズレが起こる余地は初めから無いと考える。光速という速さは、量子的に捉えれば「空間の最小単位・時間の最小単位」の整数倍で移動する速さだと予想できる。

 つまり宇宙空間の量子的な構造上、重力波が半周期ズレて逆位相になる事は、絶対にあり得ない事だと解釈する訳。むしろ、時空間の方が「波が必ず定常波」で届くように伸び縮みする…という事かもしれない。波と物質の相対速度が必ず光速に固定される相対性理論では、そうなっているみたいだし。

 という訳で、重力には斥力はなく、引力という1種類の力しかない。それは、重力波の干渉が「質量に比例して波の振幅を増幅する方向」にしか働かないため…こんなところで、どうだろう。

 で、次回だが、そろそろ電磁気力・電磁波について書きたいところだが、その前に「一般的な横波」についておさらいしておきたい。たぶん、電磁波においても「定常波」や「光速」が重要な意味を持つだろうと考えている。