パンデミック後の新世界を作るために (foussin’s blog)

(『見捨てられた世代』からの提言)

「距離の 2乗」 はシミュレ-ションにおける最重要ファクタ-

(思考実験:2019.3.23 sat ~ 2021.4.18 Sun)

 はてなダイアリー「分室の分室」の読者だった人にとっては、こういう「科学的な記事」の方が食いつきがいいだろう…そう思って撒き餌のつもりで、たまには、こういう記事も差し込んでいく事にした。


 この世界には...

距離の 2乗に比例(反比例)して ●●●● が弱(強)まる。

...この物理法則が成り立つ自然現像が数多く存在する。例えば...

1. 音は距離が遠くなるほど小さく聞こえる(距離 2乗に比例して音は弱まる)。音の大きさ(ボリュ-ム)は音波の振幅で決まる。音の波長(周波数)は音色の高低を表す。ちなみに、音波は縦波である。

2. 水面の波は距離が遠くなるにつれて振幅が弱まる(距離 2乗に比例して波の振幅は弱まる)。

3. 星の明るさは遠くなるほど暗く見える(距離 2乗に比例して光の明るさは弱まる)。光の明るさは、光子の個数(振幅)で決まると自分は考えている。電磁波のエネルギ-強度(波長)は、明るさというよりも「色温度」を決めるファクタ-といえる。

4. 物体に力を及ぼし続けると距離 2乗に比例して加速度が強まる。これらの力の起源は「電磁気力」もしくは「重力」であり、その力の起源は、素粒子(光子・重力子)と空間の相互作用である。

5. 引力や斥力は、距離 2乗に比例して力が弱まる。これらの力の起源は「電磁気力」もしくは「重力」である。ただし「弱い力」と「強い力」は例外とする。

 これらの現象には、全て「波として伝わる」という共通点がある。音波、電磁波、重力波など、エネルギ-(力)は波として伝播する。で、「距離 2乗」という共通点は、波の特性が現れたものと推測できる。

 上記5種類の波の中では、水面波と音以外は全て「光速」で伝わる事になっている。3~5 の波の起源は「電磁波」または「重力波」であり、それらの波は宇宙空間そのものを媒質として振動させて伝わる。つまり「波を光速で伝える」のが空間自体が持つ媒質としての特性…と捉えるしかない。

 一方、水面波や音波は空気や水、金属などの物質を媒質として振動させて伝わる。これは光速よりもずっと遅い。それらが光速よりもずっと遅くなる理由は、媒質が空間ではなく「物質」だから…という事にしておく。

 では、なぜ「2乗」なのか。力学を表現する数式に「2乗」が含まれる理由が理解できれば、物理学や量子力学への興味が一気に深まるぞ。これは波が「同心円状に広がりながら伝わる」ことに注目すれば、すぐに答が出る。

    円の面積:pi * r^2    (pi=円周率)
  正方形の面積:r * r = r^2 ( r=半径=距離)

 距離 2乗の「2乗」とは、円の面積の公式にある r^2 を指している。音の大きさ、光の明るさなど(エネルギ-)は、同心円状に広がりながら、その面積全体に拡散されながら伝わってゆくので、単位面積あたりのエネルギ-量子(素粒子)が「距離の 2乗に比例して少なくなる=弱まる」という訳。

 先ほど、距離 2乗の「2乗」とは、円の面積に含まれる「2乗」と言ったが、それは取っ掛かりとして説明し易いからで、どちらかと言えば「正方形の面積」の方が正しい。
 もっと言うなら、さらに正確なのは「4分の1円弧の面積」だと思う。が、細かい定数は無視しても問題ない。これ以上の正確さにこだわると微積分の世界になってしまうので。

 で、距離 2乗に比例して弱まるのは波の「振幅」だけである。波の振幅を決めるのは「素粒子の個数」だと自分は考えている。素粒子の個数は有限だが、波は空間が存在する限り無限に伝播(振動)する特徴がある。
 その結果、波は前後左右「同心円上」に伝わるという理屈だ。要するに、波というのは「素粒子が空間を通過した後の残像」に過ぎない。で、波の振幅は「電磁気力(クーロン力)」や「重力」の力の起源となり、電気力線や磁力線のような形でも知覚できる。

 水面波や音波の媒質は「物質」なので、同心円状の波を見る事も耳で知覚する事もできる。しかし、電磁波や重力波の媒質(空間)は目には見えない。
 空間自体は見えないが、空間を振動させながら直進する光子は見える。それが電磁波だ。それを踏まえて、一例として電磁波の「距離2乗」を視覚化すると、こうなる(光子が右斜め下へ進む場合を想定)。

【距離の2乗に比例して光が弱まる模式図】

(光源)16    →|0 4 →|0 0 2|
  |     |  4  |  0 2|
  |     |44   |00  2|
  |     |     |    2|
  |     |     |2222 |

(pi * r^2)/4 = 4分の1円弧の面積の中を拡散
        しながら光子は進行する。
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距離2乗-スクショ.png(テキストエディタ画面をスクショ)

 テキストで作図してるのでちょっとイビツだが、光子が正方形(正確には円弧)の範囲で「距離2乗ルール」に従って拡散しながら進行する様子が、矛盾なく表現されていると理解できると思う。
 要するに、距離2乗の原則は「空間の面積」が作用した結果と言える。そして粒子には「進行する向き」があるので、反対側へは行かないと考えるのが自然だ。

 しかし、光子は移動と同時に空間を振動させる。その振動は空間が存在する限り無限に伝播するので、光子が通らなかった反対側にも波が伝播する。よって、実際には「目には見えないが、空間自体は同心円状に波立っている」と予測できる。
 光子が拡散して散っていく理由は、光子が空間を歪ませながら移動しつつ、その歪んだ空間に沿って転がっていくためと考えるのが分かり易いと思う。

 この、目には見えない波の振幅は、最初は素粒子のエネルギーに呼応した物だったが、その空間自体の振動エネルギーが「電磁気力」や「重力」という力として具現化されて伝わる…こう解釈するのが分かり易いと思っている。

 一方、波の「波長」は、波源となった「素粒子単体」のエネルギ-強度(振動数)を表し、波長が短いほどエネルギ-強度は強まる。素粒子自体のエネルギ-は変化しないので、移動する距離に関わらず、波長が変化することはない。

 これは、素粒子は空間には吸収されない…言い方を変えると「素粒子は空間に対して常に斥力を持つ」と解釈できる。それが距離に関わらず「波長不変」の意味であり、斥力が空間を振動させるエネルギー源だと解釈できる訳。

 ただし唯一の例外として、宇宙空間の膨張によって「空間の中にある波長」は引き延ばされる。「赤方偏移」や「宇宙マイクロ波背景放射」がその証拠となっている。空間の膨張のせいで、波長も距離と共に弱く(長く)なるという誤解を生んできた訳。

 あと、音波については音源と観測者の相対速度によって、波長が伸ばされたり縮んだりする。相対速度が変わるというのは、単位時間辺りの 2点間の距離が変化することを意味する。
 これは波の視点で見れば「媒質が伸び縮み」しているのと同じ事になる。このような相対的な物の見方こそ、相対性理論の根源となっている。


 とりあえず、2乗と言えば、誰でも正方形の面積を想像すると思う。が、力を表現する数式に「なんで正方形の面積が含まれるの?」と思った人も多い筈。だが、ここまで読めば、その疑問も氷解した筈。距離2乗の原則は、力が「空間の面積」に均等に分散される事を示していた訳。

 さらに、「距離2乗」を取っ掛かりとして、光が粒子でもあり、波でもある事がスマートに言語化できたと思っている。結論としては、光は「光子」という素粒子、つまり粒子と考えて良い。
 だが、光子には空間を振動させる力があり、その波打った空間上を進むので「波」のようにも見える訳。それが電磁波の正体。で、波は空間が存在する限り無限に伝播する性質があるので、光子が通らなかった裏側でも同心円状に波立っている。

 だが、人は光子が通った部分しか見えないので、同心円状の波の一部分しか観測できない。実際には、水面波と同じような同心円上の波が空間を振動させていると考える。
 そして、光子が作り出した波は「電磁気力」という力として、我々の身体に具現化されて知覚される…という理屈だ。つまり電磁気力という力は「光子(素粒子)と空間の相互作用」によって生まれる訳。


 距離と時間は比例する。距離が遠くなれば、移動にかかる時間も比例して増加する。だから「距離 2乗」を「時間 2乗」に置き換えても、多くの場合で等式は成り立つ。
 距離とは移動する「空間の量」を表す。つまり空間と時間も比例関係が成り立つ。時間と空間は互いに切り離せない概念であり、そして「時空」という概念が生まれた。そのことに最初に気付いたのがアインシュタインだった訳。


当記事の意義:

 以前、当ブログ本編にて「移動コストを小売店に押し付けるのは不公平」だと主張した。配送料込みの価格設定を小売店に押し付けるのは「不平等条約」以外の何物でもないと。
 今回の記事は、それを裏付けるための補足情報と捉えてもらいたい。大衆の全てがバカではない事を「プロパガンダを流布して儲けようとする者」に対して、牽制する意味を込めて、これを書いている。


 「距離2乗」というテーマはプログラマにとって、非常に興味をそそるテーマだと思う。これを読んでウズウズしてきた読者も多かろう。「距離2乗」という数式を発端にして、力が作用する空間を認識する所まで来れたと思う。

 で、今回の記事を応用すれば、4つの力(強い力・弱い力・電磁気力・重力)についても、分かり易く言語化できるかもしれないと思い始め、既に書き始めている。